研究課題/領域番号 |
25461110
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
草地 省蔵 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (30214943)
|
研究分担者 |
廣畑 聡 岡山大学, 国際センター, 准教授 (90332791)
小川 弘子 岡山大学, 大学病院, 助教 (70423283)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 心臓病学 / 細胞外マトリックス |
研究概要 |
本研究の目的は、細胞外マトリックス分解酵素ADAMTSの心筋梗塞後左室リモデリングおよび線維化における役割とその制御メカニズムを検証することである。 ADAMTSがTGF-βおよびその下流経路を活性化する新事実が最近明らかとなり、このことはADAMTSが左室リモデリングに伴う線維化に関与する可能性を示している。今回、ADAMTSノックアウトマウスおよび薬剤などを用いてリモデリングおよび線維化への作用と検討すると共にADAMTSの制御機構を明らかにする。 平成25年度の研究実施計画として、ADAMTS4ノックアウト心筋梗塞モデル作成を実施した。 正常マウス(野生型)および、ADAMTS4ノックアウト(KO)マウスを用いて、心筋梗塞を作成した。梗塞後7および28日目での左室内腔径や心機能などを心臓超音波計測し、ADAMTS4ノックアウトの梗塞後左室リモデリングに与える影響を検討した。左室径(LVDd)は野生型で2.42mm、KOマウスでは2.3mmと有意な差は認めなかった。心収縮力の指標であるFSに関しては、野生型35.44%、KOマウスでは35.58%とほぼ同等であった。これらのことから、他のADAMTSのダブルノックアウトマウスを作成する必要性が示されたため、直ちにADAMTS4とADAMTS5のダブルノックアウトマウス作成に取り掛かった。 さらに、心筋梗塞早期にリモデリングの過程である細胞外マトリックスの分解のうち、ADAMTSが関与すると考えられるバーシカン分解について免疫染色による検討を行った。ウサギポリクローナル抗体であるDPEAAE抗体を用いてADAMTSによるバーシカン分解を特異的に検出する方法を用いることとし、まず染色条件の設定を行った。野生型で梗塞後に間質にDPEAAE陽性のシグナルを検出することに成功した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
野生型とノックアウトマウスでの検討は順調に進展している。他のADAMTSの関与の検討の必要性に着目し、新たな実験をすでに開始している。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は、ADAMTS4とADAMTS5のダブルノックアウトマウスを完成させる。当該施設に設置されている動物実験施設が改修工事(平成26年5月から翌年4月まで予定)となるため、動物実験に関しては計画変更を余儀なくされる可能性があり、in vitroの実験などを計画する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
予定より安く消耗品を購入できたため、未使用額が生じた。 当初の研究計画を実施するために消耗品購入に充てる。
|