研究課題/領域番号 |
25461110
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
草地 省蔵 岡山大学, 保健学研究科, 特命教授 (30214943)
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研究分担者 |
廣畑 聡 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (90332791)
小川 弘子 岡山大学, 大学病院, 助教 (70423283)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 心臓病学 / 細胞外マトリックス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、細胞外マトリックス分解酵素ADAMTSの心筋梗塞後左室リモデリングおよび線維化における役割とその制御メカニズムを検証することである。ADAMTSがTGF-βおよびその下流経路を活性化する新事実が最近明らかとなり、このことはADAMTSが左室リモデリングに伴う線維化に関与する可能性を示している。 本研究では、ADAMTSノックアウトマウスを用いてリモデリングおよび線維化への作用とADAMTSの制御機構を明らかにする。前年度の実験成果から、ADAMTS4とADAMTS5のダブルノックアウトマウスを作成する必要が生じたために、平成26年度はダブルノックアウトマウス作成を行った。ADAMTS4およびADAMTS5それぞれのシングルノックアウトマウス同士を掛け合わせることでダブルノックアウトマウスを得ることを目指した。ADAMTS5ノックアウトマウスの繁殖率が予想より低く時間を要したが、何とかダブルノックアウトマウスを得ることに成功した。身長および体重は各シングルノックアウトマウスとほぼ同等でありdwarfismは認めなかった。各種臓器にも明らかな異常は見出さなかった。 なお、本年度に本学動物実験施設の改修工事が行われることとなり、胚凍結を行った。同時にADAMTS1とADAMTS5のダブルノックアウトマウス作成も計画したが、実はADAMTS1とADAMTS5は染色体上で極めて近い位置に存在するためにダブルノックアウトマウス作成を断念し、ADAMTS5に対する中和抗体を使う方法に切り替えることとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度、動物実験施設が耐震改修工事に入ったために、施設内の遺伝子改変マウスはすべて一旦胚凍結を行う、つまり動物実験をいったん完全に中止せざるを得なかった。27年度も工事は継続しているが、年内には凍結した胚から個体に戻す予定であり実験再開できる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
まずはADAMTS4・ADAMTS5ダブルノックアウトマウスの解析を行う。心筋梗塞後の変化を観察する前に、非梗塞心において野生型マウスと差がないかについて明らかにしておく必要がある。心臓に関して、まず組織学的解析をヘマトキシリン・エオジン染色やマッソントリクローム染色にて行い、心筋に異常線維化などがおこっていないかについて検証する。
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