研究課題
本研究の目的は、細胞外マトリックス分解酵素ADAMTSの左室リモデリングおよび線維化における役割とその制御メカニズムを検証することである。ADAMTSがTGF-βおよびその下流経路を活性化することが明らかとなり、このことはADAMTSが左室リモデリングに伴う線維化に関与する可能性を示している。本研究では、ADAMTSノックアウトマウスを用いてリモデリングおよび線維化への作用とADAMTSの制御機構を明らかにすることを目指した。初年度の実験成果から、ADAMTS4とADAMTS5のダブルノックアウトマウスを作成する必要が生じたために、ダブルノックアウトマウス作成を行った。ADAMTS4およびADAMTS5それぞれのシングルノックアウトマウス同士を掛け合わせることでダブルノックアウトマウスを得ることを目指した。ADAMTS5ノックアウトマウスの繁殖率が予想より低く時間を要したが、何とかダブルノックアウトマウスを得ることに成功した。身長および体重は各シングルノックアウトマウスとほぼ同等でありdwarfismは認めなかった。各種臓器にも明らかな異常は見出さなかった。そのために、次の戦略としてApoEノックアウトマウスとダブルノックアウトマウスを交配してApoE/ADAMTS4/ADAMTS5のトリプルノックアウトマウスを作成することとした。ApoE/ADAMTS4/ADAMTS5トリプルノックアウトマウスに高脂肪食を負荷して動脈効果巣形成への影響を検証した。ApoE単独ノックアウトマウスとは動脈硬化巣の形成に有意な差が見られ、創薬へと結びつく興味ある知見が得られた。
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