心不全患者における減塩の重要性は広く認識され、実際塩分摂取が心不全増悪の誘因となることもまれではない。我々は慢性圧負荷による心肥大モデルにおいて、過剰な食塩摂取によって生じる心不全増悪機序として、脳内視床下部Naチャネル(ENaC)増加によるNa感受性交感神経活性化の関与を明らかにしてきた。今回の研究において、その機序として、①心負荷に伴い求心性心臓交感神経活性化が生じる。②その結果、視床下部における炎症性サイトカインが増加する。③脳内炎症によってENaC発現が増加する。④食塩負荷により交感神経活性化、血圧上昇を来す一連のメカニズムを明らかにした。
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