研究課題
基盤研究(C)
以前から研究を行っていたメラトニンの心血管系への作用について、論文発表を行った。その中で1)アンジオテンシンIIとコレステロールの負荷により、血管内皮細胞において酸化ストレスが亢進し、lipid raftとeNOSの細胞内局在が変化し、eNOSのbioavailabilityが低下して血管内皮機能障害がおこること、2)アンジオテンシンIIによる血管内皮の酸化ストレスがメラトニンの投与により抑制され、血管内皮障害が改善することをin vitroとin vivoで示した。そしてメラトニン受容体のアゴニストであるラメルテオンでも同様の効果があることを示した。このことより、時間治療学の観点からラメルテオンを用いて血管内皮機能、心不全への効果を検討する臨床研究の基盤が整った。心不全を増悪させている機序として、レニン・アンジオテンシン(RA)系の活性亢進があり、RA系阻害薬は慢性心不全の治療として早期からの使用が推奨されており、通常朝1回投与されている。しかしRA系の活性は早朝が最大であることが知られており、RA系阻害薬は夜内服する方が、早朝最大になるRA系活性亢進を抑制することにより心不全治療効果が増強することが期待される。今回、RA系阻害薬の朝と夜の内服での心不全治療効果に差異があるか検討する目的で、RAS 系阻害薬をクロスオーバー法にて朝食後または夕食後に投与して、それぞれ投与前と投与後3ヶ月で各種因子を検討している。評価項目としては外来血圧、家庭血圧(朝と就寝前)、一般検査(心電図、胸部xp、心エコー)に加え、血中レニン、アルドステロン、NT-proBNP、尿中アルブミン・クレアチニン比である。既に長崎大学病院臨床研究倫理委員会の承認を得て100例を目標に症例登録中である。
3: やや遅れている
心不全患者に対するRA系阻害薬の朝投与と夜投与での比較検討は、患者の登録が遅れており目標症例数に達していない。
RA系阻害薬の朝と夜投与の研究に関しては、他の病院にも協力してもらい症例数を確保するように務める。また入院後不眠を訴える患者や概日リズムが障害されている患者に対して、ラメルテオンを投与し、睡眠、概日リズムへの効果や心血管系への効果を検討する臨床研究を開始する。
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