研究課題
体内時計の変異が心肥大、心不全に影響を及ぼすかについて、特に肺高血圧による右心不全に焦点をあて検討している。ラットではモノクロタリンあるいは低酸素で肺高血圧モデルを作成する系が確立していたが、時計遺伝子改変マウスで検討するためには、マウスで肺高血圧を作成する必要があった。マウスでのモデル作成に難渋し時間を要したが、血管内皮増殖因子受容体拮抗薬投与下に、10%低酸素下で飼育する阿部らのモデルに沿って条件設定を行い、肺高血圧を来すマウスを作成することができた。さらにマウスで心エコーによる肺動脈血流の評価、カテ入れによる右室圧測定、遺伝子発現、組織学的解析が可能となった。この条件下で時計遺伝子改変マウスを飼育し、体内時計が乱れた際の心不全への影響を検討するが、結果は次年度に持ち越すことになった。心不全を増悪させている機序として、レニン・アンジオテンシン(RA)系の活性亢進があるが、RA系の活性は早朝が最大であることが知られており、RA系阻害薬は夜内服する方が、早朝最大になるRA系活性亢進を抑制することにより心不全治療効果が増強することが期待される。前年度に引き続き、RAS 系阻害薬をクロスオーバー法にて朝食後または夕食後に投与して、それぞれ投与前と投与後3ヶ月で心不全への効果をNT-proBNP, 心エコー、尿中微量アルブミンなど各種因子を検討している。症例数は蓄積して来たが、今年度までに統計解析に十分な患者数を得ることができず次年度に報告することになった。
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