研究課題
本年度は、(1) AK14165(AK)関連遺伝子改変マウスの作製とその表現型の解析、 (2) AKと複合体を形成する構成因子および複合体による遺伝子発現制御や翻訳調節の解明、(3)ヒトホモログの探索を行った。(1)AK遺伝子領域にベクターを置換したCAG-AKトランスジェニックマウス(CAG-AK Tg)を作製し、表現型を解析した。通常状態においてCAG-AK Tgマウスは、wild-typeに比べ、心臓組織及び心機能に関して明らかな表現型を認めなかった。圧負荷心不全(TAC)モデルにおいては、術後、Tgはwild-typeに比べ、明らかな心不全病態形成の抑制を認めた。また、心筋特異的AK (αMHC-AK)トランスジェニックマウスを作製し、現在複数のTgマウスラインを樹立し、それらの表現型の解析を行う予定である。さらに、AK conditional KOマウスについては作製中であり、心筋特異的AK欠損マウスを作製するために、αMHC-Creトランスジェニックマウスとの交配を準備中である。(2)RNAシークエンス及びプロテオーム解析の結果より、候補遺伝子を複数見出しており、現在、解析中である。(3) マウスAKのヒトホモログの探索については、ESTデータベース上、マウスと同じ遺伝子配列部位に複数の転写産物の存在を確認しており、その転写産物の配列の一部はマウスAKとの相同性を認めた。現時点でヒト心筋細胞を用いて、RACE法によりfull lengthクローニング中である。また、前年度の結果より、AKとHmgb2の関連については、in vitro の解析よりmiRNAを介した関連が示唆されたが、AK遺伝子欠損マウスを用いた生体での解析では、Hmgb2との関連については明らかな所見が得られなかった。
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