研究成果の概要 |
本研究では、ベプリジルを中心とした抗不整脈薬のヒトiPS心筋細胞の電気生理学的特性に対する効果を検討した。未分化ヒトiPS細胞においてSCN5A、CACNA1G、HCN4 mRNAの発現が確認された。ヒトiPS心筋細胞に対するベプリジルの効果検討では、SCN5A, CACNA1, CACNA1G, HCN4発現を濃度依存的に増加し、ベプリジルは未分化時の発現量のそれぞれ3倍、4倍、2倍、6倍に増加した。一方、KCNQ1はほとんど変化を認めなかった。これはベプリジルの抗不整脈効果に差が出る可能性を示唆し、ベプリジルの薬物効果発現の機序として、慢性期効果は重要な所見であると考えられる。
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