脳血管周皮細胞は神経血管ユニット(Neurovascular Unit)の構成細胞の一つであり、脳虚血病態に重要な役割を果たす。我々は、脳血管周皮細胞には活性酸素生成酵素Nox4が発現しており、低酸素やアンジオテンシンIIによる刺激により発現が増加し、細胞増殖などに関与していること、脳虚血の際にはNox4が血液脳関門の破綻および脳梗塞巣の拡大に関連し、機序としてNFκBとMMP9の活性化が重要であること、周皮細胞の機能を担う蛋白質であるPDGFRβの脳梗塞後の発現増加にbasic FGFが関与している可能性などについて見いだした。Nox4は新しい脳梗塞治療のターゲットとなり得ると考えられる。
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