研究課題
本年度は、本邦での代表的ゲノムコホートで採取したDNAサンプルでのDNAメチル化解析の比較とサンプル補正法の確立を行った。さらに、被災地住民での3層のオミックス(網羅的生体分子情報)参照パネルを公開した。また、心臓弁膜症での骨化関連microRNAの発現解析に関する論文掲載を行った。岩手県沿岸被災地コホートのゲノムコホート構築のために、本邦での代表的ゲノムコホート(いわて東北メディカルメガバンク機構、東北メディカルメガバンク機構、バイオバンクジャパン、久山町研究、多目的コホート研究JPHC)で一般住民から採取した血液中のDNAサンプルでDNAメチル化解析を行いサンプル間でのデータ補正法を検討した。すなわち、各ゲノムコホートでの対象とする血液細胞の相違、DNA抽出法の相違、保存法の相違などが血液細胞のDNAメチル化およびトランスクリプトーム解析に及ぼす影響について検証した。また、被災地住民100名規模での3層オミックス解析(ゲノム解析、エピゲノム解析およびトランスクリプトーム解析)を行い、参照パネルを構築し、これらのデータを公開した( http://imethyl.iwate-megabank.org/)。また、動脈硬化性疾患を対象とした疾患コホートの構築のために、大動脈弁硬化症症例46例および非大動脈弁硬化症症例46例(対照群)から末梢血液の取得および臨床データの収集を行った。特に、大動脈の石灰化のメカニズムに着目し、非翻訳型small RNAの探索を目的としている。末梢血液から末梢血単核球を分離保存し、small RNAを含むtotal RNAの抽出、real-time PCRによる発現解析の実験系を確立した。大動脈の骨化関連因子(オステオカルチン)を制御するmiRNA群の発現解析の結果をもとに候補small RNAの発現を検証した。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
PLoS One.
巻: 11 ページ: e0147519
10.1371/journal.pone.0147519.
Clin Sci (Lond).
巻: 129 ページ: 93-105
10.1042/CS20150027.