本研究では、難病疾患であるPAHの病態機序解明の一環として、BMPR2遺伝子変異を日本人最大規模のサンプル数にて検証した。BMPR2遺伝子の解析を、PCR-ダイレクトシークエンス法と、MLPA法を組み合わせた方法にて実施し、新生変異3種を含め41変異を見出した。今回認めたBMPR2遺伝子変異の結果を過去文献でのdatabaseとの比較も実施した。また、エキソン欠失が生じる機序として、Alu配列が介在する可能性を示した。臨床データとの関連性の検討を行い、PGI2製剤持続投与導入後の生命予後を比較したところ、BMPR2遺伝子変異を有する患者群で有意差をもって予後が良好、という結果を見出した。
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