研究課題/領域番号 |
25461140
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
梶本 英美 久留米大学, 医学部, 助教 (50349700)
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研究分担者 |
岩元 美子 久留米大学, 医学部, 助教 (30597422)
打和 大幹 久留米大学, 医学部, 助教 (30624506)
甲斐 久史 久留米大学, 医学部, 准教授 (60281531)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 慢性腎不全 / 血管内皮機能 / 血管石灰化 |
研究概要 |
慢性腎不全 (CKD)患者では、末期腎不全に陥る頻度よりも、心血管疾患で死亡する率が高い。血管石灰化と内皮機能障害はCKD患者における血管障害の特徴だが、メカニズムは不明である。アテローム硬化型の血管石灰化では、血管平滑筋細胞の骨芽様細胞への形質転換の制御機構において、骨形成蛋白質であるBone Morphogenetic Protein (BMP)/Smadシグナリングの関与が報告されている。本研究では、BMP/Smad経路がCKDの血管石灰化と内皮機能障害の共通した重要な制御メカニズムであることを明らかにし、CKDの二大合併症を同時に予防、治療するターゲットを明らかにすることを目指している。平成25年度は、腎不全における血管平滑筋細胞と内皮細胞での分子イベントに着目した。我々は腎不全マウスとして、5/6腎臓摘出マウス (CKD)を作成した。CKDマウスでは、血圧上昇を伴わずに、血清BUN2.5倍、クレアチニン2倍程度の中等度腎機能低下がみられた。以下の項目を解析した。 計画1-1: CKDマウスの大動脈では、BMP/Smad経路の活性化とeNOSシグナリングの低下が見られた。 計画1-2: 石灰化:CKDマウスの大動脈では、アルカリフォスファターゼの活性化が見られた。 計画1-3: 内皮機能:CKDマウスとShamマウスの大動脈を用いて、等尺張力実験によりアセチルコリンによる内皮依存性血管拡張反応をおこなったところ、CKDマウスでは内皮依存性血管拡張反応が低下していた。 計画1-4: NO産生能:CKDマウスでは、NOの代謝物である尿中NOxが低下していた。現在、内皮機能のデータと比較している。 計画2: 内皮細胞におけるBMP/Smad経路の機能解析もはじめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CKDマウスモデルを作成できているため、予定していた解析を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、計画2: 内皮細胞におけるBMP/Smad経路の機能解析と計画3: CKDにおける血管石灰化と内皮機能障害を共に制御するBMP/Smad経路の意義について調べる。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験予定が、今年度と次年度にわたって継続的に行う内容があり、一部の助成金の支出が次年度になった。 試薬等の購入に使用する予定である。
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