IL-1Ra欠損マウスの自然発症大腿動脈瘤形成過程を詳細に観察し、炎症性動脈瘤はまず外膜側の炎症から始まり、次いで内膜肥厚を来し、その後血管径拡大・動脈瘤形成を来すことが分かった。この炎症性動脈瘤形成には炎症惹起能力の高いIL-1Ra欠損炎症細胞が大きく関与していることを明らかにし、論文発表することができた。またこの外膜炎症抑制には糖尿病治療薬の1つであるDPP-4阻害薬が有効であることを見出し、論文発表した。さらに、紡錘瘤や嚢状瘤、解離性動脈瘤では病変部の炎症細胞の構成成分が大きく異なり、発症機序解明につながる所見も得られた。更なる検討を継続し、論文化する予定である。
|