FLNA遺伝子は、異所性灰白質の原因遺伝子であるが、胸部大動脈瘤の合併も報告されている。50才以下の若年性大動脈瘤患者のうち原因遺伝子が不明の372例についてエクソーム解析あるいはパネル解析を行った結果、発端者7例でFLNA遺伝子の病的変異を検出した。 これらの患者および家系内変異保有者計12例(男性6例、女性6例)の臨床像の検討では、男性では全症例でエーラスダンロス症候群様の皮膚過伸展や関節過可動性を認め、4例に上行大動脈瘤、5例で僧帽弁閉鎖不全を認めた。女性では皮膚関節症状は軽微であったが、上行大動脈瘤を3例、僧帽弁閉鎖不全を3例で認めた。 異所性灰白質を認めたのは12例中6例であった。
|