研究課題
本研究では画期的な治療法が存在しない肺高血圧症の病態に対して、その責任遺伝子、蛋白に対するsiRNAを用いて、それらをノックダウンすることによって、その病態を制御できるかを検討するものである。現在siRNAに関する原理を含む基本特許は欧米に取得されており、このままの状態では日本においてsiRNA創薬は困難な状況となっている。そこで、我々は、RNAを一部改変することによって、これらの特許を回避し、日本独自の創薬を目指すものである。先ず、本年度では肺上皮細胞株を用いてトロンビンで刺激する前にET-1、ETA のsiRNA又は各々のscrambled siRNAの多数の濃度を培養液に添加し、24時間後にET-1及びETA受容体の発現量をPCR法、ELSA法などで検討したところET-1 とETAの発現が有意に抑制されたことが確認できた。また、ET-1とETAのiRNAのoff-target効果の検討も行い、interferon type 1の産生が誘導されないことも確認された。
3: やや遅れている
本研究プロジェクトではこれまでの研究で実験材料、in vivo実験モデルなどの準備がすべて整っていなかったので、研究はやや遅れている状況である。しかし、平成27年度では研究が予定通りに進展することが確実である。
平成27年度では以下の実験を行う予定である:1)マウスMCT誘発性肺高血圧症に対するET-1 siRNA及びETA siRNAの治療効果を検討する。C57BL/6マウスにMCTを腹内投与する前に週一回2ヶ月間 ET-1 siRNA、ETA siRNA、scrambled ET-1 siRNA又はscrambled ETA siRNAをmicrosprayerにて気管内投与する。コントロールには、生理食塩水を同様の方法で投与する。2)In vivo target siRNAの濃度依存性を検討する。ET-1 siRNA及びETA siRNAの濃度依存性及びその効果変化を検討するために、投与時のmicrosprayerの投与量及びsiRNAの濃度を調節して投与し検討する。
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