研究概要 |
平成25年度は継代前、タバコ抽出液曝露後継代した培養ヒト気管支平滑筋細胞(ASM)について、DNA, mRNAを集積し、候補CpG islandについてMethylation Specific qPCR (MSqP)用のprimerを作成し、DNAの一部をバイサルファイト処理、MSqP条件を調整中である。候補CpG islandの筆頭は、樹状細胞を介してTh2系炎症を惹起・維持させるthymic stromal lymphopoietin (TSLP)-promoter領域のCpG islandとした。TSLPの遺伝子多型が、日本人の喘息発症に関わり(Hirota, et al. Nat Genet 2011)、現喫煙・過去喫煙喘息例の誘発喀痰中TSLP濃度がいずれも非喫煙喘息例に比べ有意に高く(Nagasaki, Matsumoto, et al. Clin Exp Allergy 2013)、CpGのメチル化の関与が推察される。 バイサルファイト処理後のDNAは脆弱になるため、臨床検体由来DNAのバイサルファイト処理は、全ての候補CpG islandのprimerとMSqPの条件設定ができた段階で一括解析する予定である。 また、重症喘息、喫煙喘息、COPD例において、スーパー抗原であるブドウ球菌由来エンテロトキシン(SE)への感作増加が報告されている。我々もSEと喘息コントロール不良、喘息発症年齢、遺伝子多型との有意な関連を認めており(Matsumoto H, et al. Paper in submission)。今年度は、SE曝露後のASMも継代し、epigenome解析を追加する。
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