研究課題
COPD臨床検討では、82名が前向き観察研究に参加され、対照として、健常者3名からの検体も収集済みである。外来にて前向きの観察を継続しており、呼吸機能の推移などの臨床データを収集中で、採集観察期間終了である2016年6月末日以降に最終解析予定である。予備検討にて、健常若年者と比して、COPD患者ではToll-like receptor ligandsによる刺激後に細胞内IFN-γ陽性細胞の増加と抑制性サイトカイン陽性細胞の減少が示唆されたが、症例数を増加させるにつれ、ばらつきが多く、一定の傾向が得られなくなった。一方で血清中の液性因子が増悪予測因子となる傾向を見出しており、観察期間終了後に論文作成予定である。エラスターゼ経気道投与気腫マウスでは、オリジナルの4分の1まで減量することによって、安定した気腫モデルを作成することができるようになった。小動物用CT(Lantheta LCT-200)が稼働開始し、エラスターゼ投与後2週間の時点ではDANCE経気道投与により、画像上の気腫化が抑制できるpreliminary dataがみられたが、同時に施行した病理学的検討でリンパ球浸潤を認めた。このリンパ球浸潤はヒト重症COPDで見られるリンパ濾胞と相同性があるのか、あるいは、本モデルは、肺気腫以外の病態が関与しているのか、さらなる検討が必要であると考えられた。また、マウスを低用量エラスターゼで前処理後に長期喫煙すると、微細なエラスターゼ傷害部位が著しく顕在化した。さらに、lineage trace modelで一部GFP陽性II型肺胞上皮由来の扁平上皮が見られた。このことは、II型からI型肺胞上皮への分化による修復機転や、あるいはⅡ型肺胞上細胞の分化障害が肺気腫病変の形成に関与している可能性を示唆するものと考え、引き続き細胞外マトリックスとの関連を検討していく予定である。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 10件、 オープンアクセス 10件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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