研究分担者 |
多田納 豊 島根大学, 医学部, 助教 (70432614)
礒部 威 島根大学, 医学部, 教授 (70284198)
金廣 優一 島根大学, 医学部, 助教 (60609197)
三浦 聖高 島根大学, 医学部, 助教 (90646986) [辞退]
冨岡 治明 島根大学, 医学部, 教授 (40034045)
吉山 裕規 島根大学, 医学部, 教授 (10253147)
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研究実績の概要 |
本年度は以下の検討を行った。(1)マトリックスなどを利用することにより, マウス肺へMycobacterium avium complex(MAC)菌を定着させ, 新たなマウス感染モデルを確立させるための基礎的なデータを得た.(2この)MAC肺感染モデルマウスに麻黄湯を飲水投与させ,血清中の感染抵抗性に関わるサイトカイン・ケモカインプロファイルに対する麻黄湯の影響を検討した. 麻黄湯投与群では,非投与群に比較して, Th2系サイトカインであるIL-4, IL-5が低下する傾向が認められた. しかしながら,IFN-gammma, IL-12 p40といったTh1系のサイトカインには,麻黄湯投与群と非投与群とで差を認めなかった. 加えて, 麻黄湯投与群と非投与群間での生存率, 体重について差を認めなかった. (3)漢方薬と並んで肺MAC症に対する免疫補助剤の候補の1つとしてあげられるATPについてMAC菌の増殖抑制作用について検討を行った. ATPの抗菌作用は, Mycobacterium intracellulare, Mycobacterium kansasii, Staphylococcu aureusに対して認められた. 鉄イオン,マグネシウムイオンならびに種々のキレーター(EDTA,EGTAなど)を用いる実験にて,ATPの抗菌作用発現にATPのキレート作用が関与していることが判明した. また, ATP感受性を有するStaphylococcu aureusでは, ATPが, DNA, RNA合成, タンパク質合成の初期段階を抑制することにより, 菌の増殖が抑制されることが示された.
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