研究課題/領域番号 |
25461161
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
松瀬 厚人 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (60336154)
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研究分担者 |
福島 千鶴 長崎大学, 大学病院, 准教授 (50380978)
河野 茂 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80136647)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 気管支喘息 / 真菌 / 樹状細胞 |
研究概要 |
真菌をアレルゲンとして発症、増悪する真菌関連喘息を、抗真菌薬を使って治療するのではなく、樹状細胞を用いて、真菌に対する免疫反応を修飾することで、アレルギー反応を抑制することを目的として実験を行った。Aspergillus fumigatusタンパクを水酸化アルミニウムと結合させた後、4~8週齢の雌性BALB/cマウスの腹腔内へ注射し、その2週間後にAspergillus fumigatus生菌を3日間経鼻感染させた。このマウスの最終感染翌日に肺組織を評価したところ、好中球と好酸球の浸潤と杯細胞過形成を伴うアレルギー性気道炎症の発症が確認された。このマウスに対して、同様にして作成したAspergillus fumigatus感作喘息マウスの脾臓から免疫磁気学的に分離した形質細胞用樹状細胞(plasmacytoid DC: pDC )を感染前に気道内に移入したところ、肺組織の炎症が抑制され、血清IgE低下、Th2サイトカイン抑制が認められ、Th1サイトカインとIL10 には影響しなかった。一方、同様のマウスにデキサメサゾンを腹腔内投与したところ、好中球性園s尿は抑制されず、Th2サイトカインのみならず、Th1サイトカインとIL10も非特異的に抑制された。このことは、我々の当初の予測通り、pDCがアレルギー性気道炎症を抑制できる細胞ワクチンとして機能し得ることを期待させる結果である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モデルマウスの作成、樹状細胞の摘出、免疫病理学的な評価が予定通りに行えている。
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今後の研究の推進方策 |
2年目は、pDCからのAspergillus fumigatus刺激によるサイトカイン産生パターンの評価、別の薬剤としてマクロライドの効果を評価する予定である。extracellular DNA trapsの評価として、蛍光抗体方によるDNA染色の系も本年度中に確立させたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の予定通りに実験結果が得られたため、計画通りに施行できなかった場合の実験が不要になったため。 実験結果確認のための再実験の回数を増やす。
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