研究課題/領域番号 |
25461162
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
河野 哲也 長崎大学, 大学病院, 助教 (50457511)
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研究分担者 |
福島 千鶴 長崎大学, 大学病院, 准教授 (50380978)
松瀬 厚人 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (60336154)
土田 朋子 長崎大学, 大学病院, 助教 (60581949)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 気管支喘息 / 人工甘味料 / 気道炎症 / 酸化ストレス / 動物モデル / 気道アレルギー |
研究概要 |
最も汎用されている代表的な人工甘味料であるアスパルテームを投与したマウス気管支喘息モデルを作成した。我々の既報に沿ったマウス喘息モデルに、アレルギー性気道炎症作成過程でのアスパルテーム投与を行った。投与量はアスパルテームが代謝されてフェニルケトンになることを利用して算出した。成人の体重を約60Kgとして、市販されている人工甘味料を含む清涼飲料水の中で、最もアスパルテーム含有量が多い商品を、1日に1,000mL飲むことに相当する量をマウス体重に換算して算出し予備実験を行った。投与経路としては予備実験を経て、最終的に蒸留水に溶かしての経口投与とした。 作成された人工甘味料投与喘息モデルは、通常の気管支喘息モデルに比べて、組織学的にかなり高度の好酸球性気道炎症を呈していることが確認された。これまでのところ投与そのものによると思われる死亡につながるような事象は確認されず生育状況も順調であり、投与量は妥当であると考えている。 肺組織、脾臓組織のサイトカインの検討では、アスパルテームの投与により、強いTh2反応の誘導が確認されている。GM-CSF、IL-4、IL-5、IL-13、IFN-r、IL-2、RANTESを測定しており、血液中IgEの産生量についても検討中である。 今後はさらにnを増やし、実験結果の再現性も含めて検討を進めていく。その後アスパルテームの投与量の増減を行い、量依存性の有無を確認する。その後、平成26年度以降に予定していた喘息モデル成立後のアスパルテーム投与についての検討を行っていく予定になっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
人工甘味料(アスパルテーム)の投与量の設定と、投与経路の模索に時間を要したが、喘息モデル自体は既に我々が確立していたものであり、決定後は大きな問題なく実験を遂行することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
アスパルテーム投与で確認された好酸球性気道炎症について、投与量の増減を行い、量依存性の有無を確認する。現在の投与量でも十分ヒトの実態に即した現実的な投与量であると考えているが、現在の半量(成人で市販の某アスパルテーム含有清涼飲料水500mL換算)でも気道炎症の増悪が成立するかを確認したいと考えている。 その後、平成26年度以降に予定していた喘息モデル成立後のアスパルテーム投与についての検討を行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
人工甘味料(アスパルテーム)投与経路と量を決定する予備実験にはさほどの費用を必要とせず、決定後に本格的な実験が始まったため、高額な消耗品の購入の機会が少なかったため。 予備実験が終了し、現在順調に実験が進行しているため、今後は高額な消耗品の購入が予定通り必要となる。学会発表の機会も増えてくるため支出が予想される。
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