研究課題
1.H28年度の実施概要:臨床データとμ-オピオイド受容体(MOR)遺伝子118 (rs1799971) AG SNP遺伝型との相関についてさらなる解析を実施した。(1)既往歴との関連:花粉症の既往歴を有する患者の割合は全体で18.3%であったが、遺伝型別に見ると、A/A (16.0%)およびA/G (16.1%)よりもG/G (25.4%)において有意に大きかった。(2)昨年度の解析により、Gアレルを有する喘息患者は、肥満や喫煙の環境下で、有意に重症化(末梢血好酸球の増加、気道過敏性の亢進、一秒量・一秒率の低下)しやすいことが判明したので、肥満グループを抽出して解析を行った。:肥満グループでは、Gアレルは、年齢、性別、喫煙、治療ステップとは独立した一秒量・一秒率の低下要因となっていることが判明した。2.期間全体の実施概要:患者の臨床情報、ストレス問診票データおよびMOR遺伝子118 (rs1799971) AG SNP遺伝型との相関について統計解析を行った。その結果、Gアレル(A/G、G/G)を有する喘息患者は、ストレスを感じやすく、ストレスの増加に相関して気道狭窄が増強することや、ある環境下(肥満や喫煙)では重症化(末梢血好酸球の増加、気道過敏性の亢進、一秒量・一秒率の低下)しやすいことが判明した。患者末梢血リンパ球からのTh2サイトカイン(IL-4、IL-5、IL-13)の産生に対するSNP遺伝型に関連したMORリガンドによる産生増強効果は認められなかった。3.今後の計画:このヒトSNPに相当する112 AG SNPを有するマウスを入手し、我々が確立したストレス喘息モデルの手法で、MOR SNP Gアレルにおいて、ストレス負荷から喘息増悪に到る経路、特にストレスホルモン分泌との関連を明らかにする。
すべて 2017 2016 その他
すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 1件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 6件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 3件) 備考 (1件)
Allergol Int
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
Psychiatry Clin Neurosci
10.1111/pcn.12500
巻: 65 ページ: S38-44
10.1016/j.alit.2016.05.015
Clin Exp Allergy
巻: 46 ページ: 1152-1161
10.1111/cea.12710
Exp Lung Res
巻: 42 ページ: 11-120
10.3109/01902148.2016.1157226
Respir Investig
巻: 54 ページ: 139-147
10.1016/j.resinv.2015.11.005
J Allergy Clin Immunol.
巻: 138 ページ: 1458-1461
10.1016/j.jaci.2016.04.047
Tumour Biol
巻: 37 ページ: 10763-10773
10.1007/s13277-016-4965-6
FASEB J
巻: 30 ページ: 4120-4131
Sci Rep.
巻: 6 ページ: -
10.1038/srep33507
http://www.tohoku-mpu.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2017/05/ohno_research_theme.pdf