本研究は、COPD患者の予後規定因子である体重減少とCOPD併存症に対する新しい治療法の開発を、皮下脂肪の役割に着眼し行った。まずCOPDモデルマウスを用いて、COPDにおける皮下脂肪減少に脂肪組織の血管新生の低下が関与することを同定した。次に、高脂肪食下のCOPDモデルマウスにおいて、皮下脂肪量減少とともに内臓脂肪蓄積及び糖代謝異常といった併存症を認め、血管新生刺激剤による皮下脂肪量増加→皮下脂肪のエネルギー貯蔵能力増加を介して、これらの併存症が改善することを同定した。本研究は、COPD患者の体重減少とCOPD併存症に対する血管新生刺激剤による新規治療法の可能性を提示した。
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