研究課題/領域番号 |
25461173
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
峯岸 裕司 日本医科大学, 医学部, 講師 (80386234)
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研究分担者 |
清家 正博 日本医科大学, 医学部, 准教授 (30366687)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 特発性間質性肺炎 / 肺癌 / 急性増悪 / 網羅的タンパク質解析 |
研究概要 |
4月末現在,特発性間質性肺炎合併肺癌44症例が登録されている.このうち観察期間の終了した症例から莫大な臨床情報を整理し,網羅的蛋白解析を実施する症例のピックアップ作業を進めている.問題点として,観察期間中の症例が多くみられること,および間質性肺炎急性増悪症例の数が予想より少ないことから更に症例集積が必要と考えられる.本研究では,急性増悪の予測因子として,タンパク質発現解析だけでなく,臨床背景因子による解析にも重きを置いているため,正確な臨床情報集積は極めて重要である. プロテオーム解析方法については,二次元電気泳動を用いた網羅的解析に加えて,最近,急性増悪との関連が示唆されているMUC4遺伝子多型についても,その関連タンパク質も解析対象に加えるべく,タンパク発現解析の予備実験を行っており,抗体の精度をウエスタンブロット法,免疫染色法で確認している.今後,さらに解析対象となるタンパク質を追加していく予定である. これまで症例集積が遅延しいるが,解析可能なサンプルから網羅的タンパク質解析を開始している.今年度中にプロテオーム解析を終了し,統計学的検討から急性増悪予測因子の解析する予定である.その後は独立したサンプルを用いて蛋白発現を確認し,急性増悪関連タンパク質を同定する.また,臨床背景因子による急性増悪予測に関する検討は今年度中にも完了し,今年度末から来年度初めには,その結果が学会等で発表できるものと考えている. 来年度は,同定したタンパク質の機能解析を実施し,急性増悪発症のメカニズムについての検討を進めると同時にタンパク質発現解析までの結果を学会発表,論文等で公表したいと考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
特発性間質性肺炎合併肺癌症例の集積自体が遅延していること,さらに登録症例における急性増悪の発症例が予想より少ないため,観察期間の延長と更なる症例集積で対応予定であるが,大幅な解析開始延長は難しいため,一定の症例をもって解析を開始予定である.
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今後の研究の推進方策 |
今年度前半には,網羅的タンパク質解析を開始し,急性増悪関連タンパク質の候補を同定できる予定である.最近,間質性肺炎急性増悪および薬剤性肺障害の原因遺伝子としてMUC4遺伝子多型が注目されている.我々は,MUC4タンパク質関連シグナルについても別途検討に加える予定とし,解析方法について検討を開始している.また,臨床背景因子に基づいた急性増悪予測因子の解析は今年度中にも終了できると考えている.
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次年度の研究費の使用計画 |
症例集積が中途であり,サンプルの解析もやや遅延しているのが現状であるため,このため,昨年度中に予定していた数のサンプル解析に至っていないため,次年度使用額が生じている. 今年度は,さらに解析サンプル数が増える予定であるので,繰り越し分の予算を使用する予定である.
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