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2014 年度 実施状況報告書

Marfan型COPDの遺伝子レベルから見たECMの動態と革新的治療に向けた研究

研究課題

研究課題/領域番号 25461174
研究機関日本医科大学

研究代表者

木田 厚瑞  日本医科大学, 医学部, 教授 (90142645)

研究分担者 新井 富生  地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), その他部局等, 研究員 (20232019)
別役 智子  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60333605)
石井 健男  日本医科大学, 医学部, 講師 (90445750)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード肺気腫 / Marfan症候群 / 細胞外基質 (ECM) / TGF-beta / アンギオテンシン / LTBP4 / 動脈瘤 / 遺伝子多型
研究実績の概要

(1) LTBP4の機能的遺伝子多型の検討(石井、木田、別役):胸部CTデータから算出した肺気腫の程度とLatent TGF-β binding protein-4 (LTBP4; FBN1, TGF-β1 と結合、LOX との相互作用を有し、ノックアウトマウスが肺気腫形成)の一塩基多型(SNP)の関連は、日本医科大学のCOPD 350 症例at risk 症例 250 例についての検討からrs1131620、rs1051303について認められていたため、同SNPsについて上記結果のvalidationを行っている。具体的には、慶應義塾大学にてCOPD 350 症例 at risk 症例 250 例とすべくゲノムDNAを収集、遺伝子型を上記SNPのうちの一つについてTaqmanの手法を用いて決定した。すでに本母集団については臨床データ(胸部CTによる肺気腫の程度、胸部大動脈の直径など)は収集済みであるため、現在、臨床データと結合し、同SNPと肺気腫の関連、同SNPと胸部大動脈の直径との関係の2面から解析を行っている。
(2) 胸部大動脈の直径測定方法の確立(石井、木田):胸部CTのデータから肺気腫の程度をlow attenuation area(LAA%)の割合として算出するために用いているソフトウエアAZEを取得、LAA%のデータの継続的収集を行うと同時に、胸部大動脈の直径を安定して測定するための手法を検討中である。
(3) 連続剖検例の肺気腫、大動脈瘤合併症例について、病変部位におけるfibrillin-TGF-β-ANG 経路の活性化の確認、fibrillin への自己免疫反応の有無の検討:試料の収集と臨床データ(主に喫煙歴・飲酒歴)の整備を引き続き行っている。免疫染色について具体的には, LTBP4, TGF-β1の染色条件の設定を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

日本医科大学の症例についてLTBP4のSNPsと肺気腫との関連を見出し、そのvalidationのためのサンプルも収集及び遺伝子型決定、臨床データ収集は終えており、解析を待つだけとなっている。よって、同遺伝子多型と疾患との関連を本年度前半には確認できると考えている。
動脈瘤合併型COPD、いわゆるMarfan型COPDと関連があるかは、今年度前半には大動脈の径についてCTによる測定、データ収集を開始し日本医科大学のデータでは解析予定。慶應義塾大学のデータはすでにあるため、解析を待つだけとなっている。
LTBP4の同SNPが、肺組織におけるLTBP4発現などにどのように影響するか検討するための肺組織サンプルはあるため、病理組織による機能解析も進められると考えられる。
同SNPの病態への関与メカニズム検討のためのin vitroの検討はSNP validationの結果を待って、本年度中に行いたいと考えている。

今後の研究の推進方策

LTBP4のSNPsと肺気腫および大動脈瘤との関連の検討及びvalidationについては、遺伝子型データはすでに出揃っている。肺気腫については 慶應義塾大学のデータの解析を待つのみとなる。大動脈瘤についての日本医科大学データのみが現在未収集であるが計測方法の構築を進めているところであり、今年度中には計測、データ収集、および解析ができると考えている。
SNPsによる疾患との関連解析のvalitationが終わったところで、機能解析のために、肺由来細胞における同遺伝子のsiRNAによるノックダウンなどを行うことを検討している。
LTBP4の同SNPが、肺組織におけるLTBP4発現、およびTGFB経路などにどのように影響するか、病理組織サンプルを用いて検討を予定し、その準備を進めている(免疫染色など)。

次年度使用額が生じた理由

遺伝子関連解析(ヒトDNAサンプルを使用しての研究部分)の解析が終了していないため、結果としてin vitroでの検討の時期が遅れたため、その分が次年度使用となっている。また、病理学的に標本染色などまだ進捗していない部分があり、複数の抗体についてまだ検討のための購入をしていないために残額が発生している。

次年度使用額の使用計画

有意に肺気腫と関連する遺伝子型および遺伝子を見出すことができており今年度上旬にはそのvalidationも終了と考えられるため、次年度使用額となっている研究費を用いて、同遺伝子の機能解析を培養細胞を用いた系などにて検討する予定としている。病理学的検討は、当初計画どおり今年度までに行っていく予定としている。

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公開日: 2016-05-27  

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