研究課題
基盤研究(C)
肺Mycobacterium avium complex(MAC)症患者40名の末梢血単核球(PBMC)を使用し、様々な抗原を使用して宿主抗原提示細胞を刺激しPBMCから分泌されるIFN-gammaをELISPOT法で測定した。コントロールとして活動性肺結核の患者(30名)と正常健常者(30名)のPBMCを使用した。ESAT6、CFP10は結核感染診断(QuantiFERONなどのinterferon gamma releasing assay)に使用される結核菌特異的なタンパクである。またTB-Ag85は結核菌特異的タンパクで強い抗原性を持つ。Tuberculinはツ反に使用される結核菌培養液抽出物である。ESAT6、CFP10、TB-Ag85、Tuberculinと結核患者PBMCの共培養でIFN-gammaがより分泌されることが判明した。また正常健常者においてもBCG接種の影響かTuberculin刺激でMAC患者よりIFN-gammaが分泌されていることが判明した。MAC-Ag85はMAC特異的タンパク、SensitinはMAC培養液抽出物である。これらとMAC症患者PBMC共培養で有意に多いIFN-gamma分泌が見られているが、結核患者や正常健常者でも分泌は見られている。環境からの暴露があり、免疫記憶が存在していることが示唆される。この結果から肺MAC症患者はIFN-gammaの分泌は見られるが絶対量が不足しているのか、その効果を減弱・抑制させる作用が働いてMACを体内から排除できないことが予想された。
2: おおむね順調に進展している
肺MAC患者由来のPBMCを使用して、IFN-gammaのイミュノアッセイを行い、MAC特異抗原に対するIFN-gammaの分泌能力は保たれていることを明らかにしたため。
使用したMAC抗原をペプチドとして、ペプチドと患者由来PBMCを共培養することで詳細なエピトープを決定する作業を行う予定である。
研究所が本年度より入札制度を導入したため、消耗品購入額が予想よりも少ない額で調達することができた。次年度においては、カスタムメイドオーダーで高額となることが予想されるペプチド合成が予定されるため、その調達金を増額することを予定している。
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