研究課題
基盤研究(C)
プロテアソームが肺の線維化に与える影響を明らかにするために、生体における肺線維症患者の気管支肺胞洗浄液(BALF)でのプロテアソーム活性や発現を調べた。プロテアソーム活性はProteasome-Glo TM assay systems, Promega を用いて20S proteasomeの発光強度をスタンダードとしBALFあたりの活性を測定した。プロテアソーム抑制薬なしの値とありの値の差を結果に用いた。特発性肺線維症患者(IIP)36名、薬剤性肺障害患者7名、膠原病関連間質性肺炎(CVD-IP) 23名ではChymotrypsin-様活性は3群に変化がなかったものの、Trypsin-様活性とCaspase-様活性はIIP群やCVD-IP群に比べて薬剤性肺障害群が有意に高値であった(Trypsin-様活性 p<0.001, Caspase-様活性 p =0.006)。健常者17名、サルコイドーシス患者27名およびIIP群の検討では有意ではなかったものの、IIP群が他の2群に比べてChymotrypsin-様活性が高い傾向があった(p=0.089)。年齢とプロテアソーム活性には相関を認めなかったが、健常者(53±3 SE歳)、サルコイドーシス(57±2)、IIP(65±2)と有意にIIPの年齢が高値であった。IIP患者のBALFにおけるChymotrypsin-様活性が高い傾向であったことは、Chymotrypsin-様活性が肺線維化形成に何らかの影響を与えていると考えられる。薬剤性肺障害はIIP群やCVD-IP群と比べChymotrypsin-様活性は変わりなくTrypsin-様活性とCaspase-様活性が高値であったことは、プロテアソームの活性首座の変化が種類の異なる間質性肺炎の発症や障害メカニズムに影響している可能性がある。
2: おおむね順調に進展している
BALFの検討は順調に進んでいる。動物実験モデルは実験条件設定にやや時間がかかっているものの、おおむね順調であると考えられる
β5t-Tg マウスを用いた動物実験モデルはブレオマイシンと平行してLPSや喫煙刺激などのモデルも作成し、肺障害の程度やプロテアソーム活性について深めていく予定である。
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