研究課題
喫煙刺激に対しプロテアソーム機能の抑制がどのような影響を及ぼすかを調べるため、C57BL/6の野生型マウス(WT)もしくはプロテアソーム活性が減弱したトランスジェニックマウス(Tg)に5%、60分間の喫煙曝露(柴田化学 SIS-CS)を週5日間で12週間行った。Mean linear interceptを測定すると喫煙曝露を行ったTgマウスはWTと比較し有意に気腔が拡大しており、プロテアソーム抑制は喫煙に対する肺胞破壊が増強することが示された。TUNEL染色を行ったところ、TgマウスではWTと比較し有意にアポトーシス細胞の増加がみられた。そこで、プロテアソーム活性抑制の有無で喫煙刺激によるアポトーシスが異なるかどうかを検討した。Primary mouse lung fibroblast cell line, primary human lung fibroblast cell line, 皮下から分離した fibroblastをプロテアソーム阻害薬(PS-341:10nM)の有無で32時間プレインキュベートした後、1%タバコ煙抽出液を含む培地で16時間培養した。動物種別や採取した部位に関わらず、タバコ煙刺激後のfibroblastはプロテアソーム阻害薬を加えることによってannexin V陽性細胞が増加した。しかし、primary 肺胞上皮細胞ではプロテアソーム阻害薬の有無で差はなかった。TgマウスとWTマウスより採取したfibroblastを1%タバコ煙抽出液で培養すると、Tgマウスから得られたfibroblastではWTと比較しannexin V陽性細胞とpropidium iodide陽性細胞の陽性比率が増加していた。プロテアソーム活性低下ではタバコ煙という酸化ストレス下でaggresome formationも増加することが確認された。タバコ煙がもたらす細胞死のメカニズムを検討するためERストレスの指標を検討したところ、glucose-regulated protein 78はタバコ煙を曝露したTgマウスのfibroblastで増加していたが、caxpase-3は変化がなく、アポトーシスはcaxpase非依存性経路で起こっていると考えられた。
2: おおむね順調に進展している
本年度はプロテアソーム活性の違いがタバコ曝露下における気腫病変の進展や線維芽細胞におこる変化に着目した論文が受理された。
今までの研究により、プロテアソームの機能低下は酸化ストレスに対する細胞死を過剰に誘導することが分かった。今後は線維芽細胞における機能変化に着目し研究をすすめる。
プロテアソーム抑制Tgマウスを使用し、野生型マウスとの線維化モデル比較実験を継続する予定であったが、Tgマウスの繁殖が遅れており、十分な匹数の実験マウスを準備することが出来なかったため、コントロールとなる野生型マウスの購入を先延ばしにしたため
Tgマウスの繁殖ができ次第、野生型マウスを購入し、実験を開始する。
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