肺気腫の発症機序と治療法の確立を目的として、動物モデルの作製に取り組んだ。まず、タバコ抽出液(CSE)によるラット肺気腫モデルの作製を行った。CSEを6週齢オスSDラットの腹腔内へ週1回投与し、3週後に肺組織を摘出した。対照群との比較では、気腔の拡大は有意であるが肺胞の破壊は明らかでなく、確実に肺気腫モデルを作製することはできなかった。そこで、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)によるラット肺気腫モデルの作製に切り替えた。HUVECを6週齢オスSDラットの腹腔内へ単回投与し、3週後および6週後の肺気腫形成を調べたが、対照群と比べ明らかな気腔の破壊、拡大は確認できなかった。
|