特発性間質性肺炎の発症機序およびその治療法は未だ確立しておらず、今日大きな問題となっている。本研究では、肺におけるアンジオポエチン様因子ファミリー2(Angptl2)の発現が肺繊維化抑制に重要な役割を果たしていることを明らかにした。肺組織において、Angptl2は肺胞上皮細胞に主に発現しているが、薬剤刺激により肺線維症を来している肺組織では、線維芽細胞を含むさまざまな細胞でAngptl2の発現が増加していた。一方、Angptl2を欠損したマウスでは野生型マウスと比較して、薬剤刺激による肺線維症が増悪しており、肺におけるAngptl2の発現は肺線維化抑制に関与している可能性が示唆された。
|