申請者は、ハウスダスト中に存在する細菌構造物質フラジェリン(FLA)が抗原に対するアジュバント効果をしめし、マウスに喘息様病態を引き起こすことを報告した。このFLAの喘息病態への関与を検討するために、患者および健常者の血清を採取し、抗FLA抗体をEnzyme-linked immunoassay法で測定した。その結果、健常者と比較して患者群で高値を示したが、統計学的有意差を認めなかった。しかし、抗FLA抗体高値患者群と低値患者群との比較では、末梢気道における気道流速制限に有意差を認めた。抗FLA抗体は喘息病態を把握するバイオマーカーとしての可能性が示唆されたが、更なる検討を要すると考えられた。
|