線毛運動における一酸化窒素(nitric oxide; NO)、NO合成酵素(NO synthase; NOS)の役割は不明な点が多い。本研究ではNOSs完全欠損マウスを用い、NO及びNOSを介した線毛運動機序の解明を行うことを目的とした。リポ多糖(LPS)腹腔内投与後の線毛運動振幅頻度(CBF)は、野生型マウスに比しNOSs完全欠損マウスではCBFは低下しており、NO donorであるisosorbide dinitrateの前投与を行うと、NOSs完全欠損マウスのCBFの低下は改善した。以上よりNO/NOSsが線毛機能において重要な保護的な役割を果たしていることが示唆された。
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