研究実績の概要 |
培養ヒトメサンギウム細胞において、Toll様受容体3 (TLR3)/ interferon (IFN)-beta / phosphorylated STAT1 (p-STAT1) / retinoic acid-inducibel gene-I (RIG-I) / CCL5 axis による炎症反応系が、tumor-necrosis factor-alpha 処理により相乗的に増強すること(Clin Exp Nephrol, 2015)、この系で誘導されるユビキチン様タンパク質で ISG のひとつでもある ISG15 が、この系の negative feedback loop の形成に関与していること(Nephron Exp Nephrol, 2016) を明らかにした。また、TLR3 シグナリングは、ケモカインの一つである CCL1 の発現を誘導するが、この反応は IFN-beta に依存しないことも明らかにした(Clin Exp Nephrol, 2015)。 一方、innate immunity 関連因子群の mRNA の検出が、IgA 腎症患者の病態に関連していることを見出した (Nephrology, 2015)。 以上より、 培養ヒトメサンギウム細胞における innate immunnityとそれに引き続く炎症応答に関与する新たな分子メカニズムの一端を明らかにし、また、臨床との関連も一部報告することができた。
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