研究課題
基盤研究(C)
我々は、CKD 患者における慢性炎症と動脈硬化性疾患、感染症、予後を検討する前向きコホート研究NISE study (Nagoya Immunity System in the End-stage renal disease study)を実行中である。この研究の目的は、腎不全患者の栄養障害、慢性炎症、動脈硬化の悪循環に、遺伝子解析(SNPs解析)と遺伝子制御因子の解析(Epigenetic analysis; DNAメチル化の解析)を加え、個々のもつ遺伝背景と環境因子の相互作用を追求することである。その中で、制御性Tリンパ球が慢性炎症に関与している可能性について明らかにすることを目的としている。本年の研究実績として、当コホートの患者において好中球/リンパ球比は慢性炎症や栄養状態のマーカーとして心血管合併症の発症に関与していることを突き止め、第44回のアメリカ腎臓学会で報告した。今回の研究では、さらに登録されるCKD 患者から静脈血を採取し、1.リンパ球を分離し解析を進める予定になっている。現在新規登録患者を募集しリンパ球を回収中である。保存血清の収集と、臨床経過を含めたデータベース作成は同時に進行している。
3: やや遅れている
本研究は透析導入時の患者に登録していただき検体を採取している。いままでの採取の条件に加えて、リンパ球分離を行う必要があり、目標症例数を達成することが出来ず、リンパ球分画の検討やDNAメチル化の解析に進めなかった。
保存期腎不全(慢性腎臓病)治療の向上などで、透析導入患者の高齢化が進み、本研究登録基準である75歳以下を満たす患者が年々減少しているため、予想より登録が進まない現状にある。共同研究機関へ再度登録を依頼していく。リンパ球が確保できれば適宜、リンパ分画によるソーティングを行い、DNA抽出に取りかかる予定である。
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Kidney Int.
巻: 85(3) ページ: 641-8
10.1038/ki.2013.544