研究課題
慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease: CKD)患者においては、栄養障害(PEW)、筋肉消耗(MW)が動脈硬化、易感染性に寄与し若年死亡率の上昇に関与している。この研究では2007年名古屋大学腎臓内科教室で遂行している日本人コホート研究;NISE (Nagoya Immunity System in End-stage renal disease)研究の参加者から、血液を採取し臨床情報と比較することによってCKD患者の若年死亡の改善を目指した治療戦略を確立することにある。最終的に、登録患者数は152名(男性99名女性53名、年齢59±11歳)となった。腫瘍学や循環器分野で、末梢血好中球/リンパ球比(Neutrophil/lymphocyte ratio: N/L比)は、好中球の増加は炎症を、リンパ球の低下はストレスや栄養障害の悪化を反映しN/L比の上昇は予後危険因子であることが報告されている。我々のコホート研究においても、N/L比の上昇は、透析導入後の心血管イベントの早期発症、発生頻度の増加に関与し、危険因子であることを証明した。しかし、リンパ球分離後のリンパ球の解析、DNAメチル化の解析を行うことはできず、慢性炎症惹起の解明については今後の課題となった。
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Blood Purification
巻: 41 ページ: 25-33
10.1159/000440971
巻: 42 ページ: 56-63
10.1159/000445424