これまでに糖尿病ラットの近位尿細管上皮細胞でメタロチオネインの発現が増強することが報告されているが、メタロチオネイン発現の抑制により糖尿病による酸化ストレス・糖尿病性腎症が増悪するかは不明であった。我々は、メタロチオネイン抑制により抗酸化作用が抑制され糖尿病性腎症が悪化すると仮説を立て、メタロチオネインノックアウトマウスやメタロチオネインノックダウンマウス培養近位尿細管上皮細胞を用いてメタロチオネインの糖尿病における酸化ストレスや炎症、糖尿病性腎症における役割を検討した。その結果、メタロチオネイン欠損により高血糖による酸化ストレスと腎臓の炎症が促進されることを明らかにした。
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