研究課題
平成26年度は、腎硬化症に対する分泌型クロト蛋白の影響を検討することを目標とした。悪性高血圧のモデルであるSHR-SPラットの片腎摘+加塩食を用いて、対照液を投与する群、クロト蛋白を投与する群(30μg/kg/day)を比較検討を行った。クロト蛋白投与により、両群間で糸球体濾過率に変化は認められなかった。尿蛋白も対照群ですでに低値で有意な変化は認められなかった。しかし、遺伝子解析では、クロトが対照群で見られた糸球体でのTRPC6発現の亢進に抑制的に働くことが示唆された。上皮間葉転移については、TwistやαSMAなどを用いて検討したが、蛋白尿が少ないこともあり、対照群でもあまり亢進しておらず2群間でも有意差を認めなかった。腎線維化については、TGFβは両群で同程度に発現していたが、特に傍髄質部位での線維化の抑制がクロト群で認められ、クロトの直接的な抗線維化作用が示唆された。
2: おおむね順調に進展している
おかげさまで多くの先生方が研究に協力してくださり、本学だけでなく埼玉医科大学、慶應義塾大学、北里大学、香川大学などと協力して研究を進めることができた。
研究計画に沿って推進する
アメリカ腎臓学会での発表を予定していたが、休みが取れず不参加。そのため計上していた旅費が差額として残りました。
次年度以降に使用予定
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)
American Journal of Physiology Renal
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