色々な側面からクロト蛋白の腎保護効果を検討した。 アドリアマイシン腎症では、クロト蛋白はWntシグナルを阻害することで腎内アンジオテンシン、血圧、蛋白尿を低下させた。またクロト蛋白はIGF受容体を阻害しSODを誘導することで酸化ストレスを軽減させた。更にクロト蛋白はTGFβのシグナルも阻害して上皮間質遷移や線維化を抑制した。腎硬化症では、クロト蛋白は腎内アンジオテンシンと血圧を低下させ、髄質の線維化を抑制した。 更に生理学的見地から、クロト蛋白が副甲状腺ホルモン受容体と相互作用を来し、そのシグナル伝達を阻害することでビタミンDの活性化を抑制することを示した。
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