研究課題
基盤研究(C)
本研究ではこれまでに明らかにされてこなかった日本人における総ネフロン数を剖検腎をを用いて推算することを目的としている。これにより、日本人のネフロン数を諸外国における成績との比較し、また年齢による差異などを明らかとなることが期待される。この目的達成のため、昨年度は当該施設において実施された剖検症例のプロフィールなどの検討を重ね、本研究の目的に添う症例、すなわち、臨床的、病理学的に明らかな腎障害を認めない症例の選定を行ってきた。現在まで、当該施設および研究協力施設において数十例の剖検症例が解析対象として抽出されている。当研究は日本の施設において標本を作成し、海外の施設において解析を委託する形で研究が遂行されるため、剖検組織標本の作製、輸送などにおいても、安全性の確立や倫理的な配慮が重要である。したがって、研究実施に当たっては研究協力者と幾度も協議を重ね検討を行ってきた。また、当該施設における倫理委員会での審議を経て倫理委員会の承認を得ることができ、海外施設との標本の授受および取扱いに関する覚書(MTA)の作製なども並行して行ってきた。現在研究協力者の所属する施設においても倫理委員会での審議および承認を得るべく準備を進めている最中である。以上の手続きが整い次第、実際に剖検腎の組織標本の作製に取り掛かり、標本を輸送を開始する予定である。現在、標本作成のための腎細切機器および包埋に必要な試薬などの準備を行っている。
3: やや遅れている
倫理委員会申請および承認、覚書作成および承認に時間を要した。本研究はこれらの承認を得ずして行うことは不可と考えられたため実際の研究がやや遅れた。
研究協力者施設における倫理委員会の承認が得られ次第、標本作成を開始する予定である。標本作成にあたっては腎細切および包埋処理の過程についての方法を試みる必要があると考えている。最終的に目的とする解析に耐えうる組織切片の作成が可能な方法を検討したうえ、標本作成を推進し海外研究協力者に総ネフロン数の推算のための解析を依頼する。
倫理委員会および標本授受に関する覚書の作製および承認に時間を要し、実際の研究遂行に遅れが生じたため。実際に標本作成に必要な物品や試薬の購入のために使用する予定である。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
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