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2014 年度 実施状況報告書

母体環境が新生仔の腎障害に与える影響についての検討~AGEs-アプタマーの効果~

研究課題

研究課題/領域番号 25461239
研究機関久留米大学

研究代表者

深水 圭  久留米大学, 医学部, 准教授 (80309781)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード腎障害 / アディポネクチン / 母体環境
研究実績の概要

今回、我々は母体環境が腎障害にいかに影響するかについて、アディポネクチンに焦点を置き検討した。母体への高脂肪食・高フルクトース負荷は、仔の出生時体重・腎重量を低下させ、16週令では増加傾向を示した。その仔は血圧上昇及び耐糖能異常、糸球体濾過量の低下を認めた。母体への高脂肪食・高フルクトース負荷は、その仔において出生直後より血清アディポネクチンを著明に低下させ16週令まで低値は持続した。一方、その仔の血清MDAは4週令より有意に増加し、アディポネクチンと逆相関した。高脂肪食・高フルクトース負荷された母親より出生した仔の尿中アルブミン排泄は8週令より有意に増加し、その増加は16週まで持続し、血清アディポネクチンと逆相関した。高脂肪食・高フルクトース負荷された母親より出生した仔におけるポドシン発現量は有意に低下し、腎TGFβ発現及び糸球体の細胞外基質は増加した。本研究では、母体への高脂肪食・高フルクトース負荷は、仔の出生時体重・腎重量を低下させ、血清アディポネクチン低下とともにアルブミン尿が出現した。アルブミン尿はCKDのリスク因子であり、妊娠・授乳期の母体環境に介入し子供のアルブミン尿のアルブミン尿増加を抑制することは将来のCKD発症進展や透析導入数の抑制に有効である。今後、妊娠中において母体へのアディポネクチンを上昇させることが、のちの仔の腎障害改善に寄与する新たな手法となる可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

妊娠動物モデルも順調にできており、その仔の腎障害を惹起できているため、このモデルを使用し、さらに研究を発展させうることができると考えているため。

今後の研究の推進方策

今後は母ラットのアディポネクチンを上昇させることが、仔の腎障害を改善しうるかについて、検討していく必要がある。そのために、母ラットにアディポネクチンを投与する系を作成し、仔に与える影響についてを検討したい。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Asymmetric dimethylarginine accumulates in the kidney during ischemia/reperfusion injury.2014

    • 著者名/発表者名
      Nakayama Y, Ueda S, Yamagishi SI, Obara N, Taguchi K, Ando R, Kaida Y, Iwatani R, Kaifu K, Yokoro M, Toyonaga M, Kusumoto T, Fukami K, Okuda S
    • 雑誌名

      KIDNEY INT

      巻: 85 ページ: 570-578

    • DOI

      10.1038/ki.2013.398

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Involvement of iron-evoked oxidative stress in smoking-related endothelial dysfunction in healthy young men.2014

    • 著者名/発表者名
      Fukami K, Yamagishi S, Iida S, Matsuoka H, Okuda S
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 9 ページ: e89433

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0089433

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Dialysate VEGF is an independent determinant of serum albumin levels and predicts future withdrawal from peritoneal dialysis in uremic patients.2014

    • 著者名/発表者名
      Hazama T, Fukami K, Yamagishi S, Kusumoto T, Sakai K, Adachi T, Sonoda K, Kasuga S, Ueda S, Okuda S
    • 雑誌名

      THER APHER DIAL

      巻: 18 ページ: 391-397

    • DOI

      10.1111/1744-9987.12120.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Carnitine deficiency is associated with late-onset hypogonadism and depression in uremic men with hemodialysis2014

    • 著者名/発表者名
      Fukami K, Yamagishi S, Sakai K, Kaida Y, Obayashi A, Nakayama Y, Ando R, Obara N, Ueda S, Wada Y, Okuda S
    • 雑誌名

      AGING MALE

      巻: 17 ページ: 238-242

    • DOI

      10.3109/13685538.2014.888053

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Effects of switching from oral administration to intravenous injection of L-carnitine on lipid metabolism in hemodialysis patients2014

    • 著者名/発表者名
      Fukami K, Yamagishi S, Sakai K, Nasu M, Okuda S
    • 雑誌名

      Clin Kidney J

      巻: 7 ページ: 470-474

    • DOI

      10.1093/ckj/sfu082

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 高脂肪・高フルクトース負荷によるラット母体環境変化は、アディポネクチン低下を伴い仔の腎障害を惹起する2014

    • 著者名/発表者名
      小原 奈々
    • 学会等名
      日本腎臓学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2014-07-04 – 2014-07-06
  • [図書] 血液透析患者におけるカルニチン欠乏と酸化ストレス-AGEs軽減作用への期待2014

    • 著者名/発表者名
      深水 圭、奥田誠也
    • 総ページ数
      137
    • 出版者
      医学図書出版株式会社

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公開日: 2016-05-27  

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