研究成果の概要 |
我々はAngIIが単離したヒト近位尿細管(PT)において野生型マウス(低濃度で刺激,高濃度で抑制)と違い濃度依存的にNa輸送を刺激することを見出した。マウスでの刺激はMEK/ERK,抑制はNO/cGMP/cGKIIを介すること,ヒトでの刺激はNO/cGMP/ERKを介することも示唆された。AngIIのPT作用における細胞内Caの関与はマウスではないが,ヒトではCa濃度依存性にPT輸送亢進が認められた。エンドセリン(ET)もマウスではごく僅かにAngIIと同様の二相性反応,一方ヒトでは濃度依存性に強い刺激が見られた。ヒト腎での血圧上昇におけるAngII,NO,Ca,ETの意義が示唆された。
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