研究概要 |
腹膜線維症モデルマウスの腹膜組織におけるmiRNAの発現 これまで腹膜線維症進展において重要であると考えられている因子としてVEGF, connective tissue growth factor (CTGF), TGF-beta1, pleiotrophin(PTN)に着目し解析を行った。これらの増殖因子に対応するmiRNAとして、VEGFを標的とするmiR-93、CTGFを標的とするmiR-26aとmiR-30c、 TGF-beta1を標的とするmiR-744,さらに PTNを標的とするmiR-590に着目し、腹膜線維症(CG)マウスにおける発現をTaqman PCRで検討した。CG投与1, 2, 3, 4週後の腹膜組織内のmiR-93(VEGFを標的とするmiRNA)発現は、投与2週後より有意に発現の増加を認め、3,4 週後にさらに発現の増加を認めた。CG4週後のmiR-93発現はコントロール群に比して5倍の発現増加を認めた。次に同じサンプルを用いて、CTGFを標的とするmiR-26aと30cの発現を検討した。miR-26aはCG投与2週後の腹膜において、コントロールに比して2.2倍と有意に増加を認め、3,4週後においても有意な増加を示した。miR-30cもmiR-26aと同様にCG投与2週後より増加を認め、3,4週後においても有意な増加を示した。さらにTGF-beta1を標的とするmiR-744およびPTNを標的とするmiR-590についても検討した。miR-744はCGマウスにおいて発現が増加する傾向にあったが、有意な増加は認められなかった。またmiR-590も増加を認めなかった。
|