研究実績の概要 |
1)脂質2重膜成分から構成されるLiposomeナノパーティクルにTGF-β1-siRNAを内包したデリバリーシステムによる腹膜線維症治療法を開発した。 2)腹膜線維症の腹膜で変化するmiroRNA(miRNA)をマイクロアレイ法で網羅的に解析し、miRNA-21-5pを腹膜線維症抑制の標的miRNAとして選出した。miRNA-21-5p抑制のためのスモールRNAを人工核酸(LNA)で作成し(anti-miRNA-21-LNA)、腹膜線維症モデルマウスでanti-miRNA-21-LNAの腹膜線維症治療効果を明らかにした。またマイクアレイ解析で腹膜線維症で上昇するmiRNAのうち、実際の腹膜透析患者で血清miRNA-21-5p, miRNA-221-3p, miRNA-327とPD排液中miRNA-221-3p, miRNA-34a-5pの発現レベルと腹膜平衡試験(D/P-Cr, D/D0-glu)、PD排液中の腹膜劣化マーカー(FDP, MMP-2)が有意に相関することを同定し、miRNAが腹膜線維症のバイオマーカーとなる可能性についても明らかにした。
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