研究課題/領域番号 |
25461254
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
横田 健一 慶應義塾大学, 医学部, 共同研究員 (50424156)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 高血圧 / ミネラルコルチコイド |
研究概要 |
CASZ1のfloxマウスを作成するにあたり、既にターゲッテイングベクターを遺伝子導入されているマウス組み換えES細胞株をEUCOMMより購入した。次に、8細胞期胚とES細胞のアグリゲーションを行い、キメラマウスの作出を試みた。その結果、得られたオスマウスは30%キメラ、10%キメラの2匹であった。そこでF1ヘテロマウスの作出を行うべく、これらのキメラマウスを野生型のメスマウスと交配させ、生まれたマウスの遺伝子型を調べたが、germline transmissionは確認出来なかった。ここまでの結果から、germline transmissionが成功しない理由として、アグリゲーション後のキメラマウスのキメラ率が極めて低いことが考えられ、その理由としてES細胞の質の低下が考えられた。そのため、新たに組み換えES細胞を作成することとした。新たに相同組み換えベクターのデザイン、ベクター構築、ES細胞へのベクター導入を行い、薬剤選択、PCR、サザンブロットにより組み換えES細胞株の樹立を確認した。得られたES細胞と8細胞期胚をアグリゲーションに供したところ、今度は100%キメラのオスマウスが複数得られた。このオスのキメラマウスをメスの野生型マウスと交配し、生まれたマウスの遺伝子型を調べた結果、複数のマウスでgermline transmissionが確認できた。さらに、このF1ヘテロマウス中に含まれるFRT-neo-FRT配列を飛ばすために、FRT/FLPeシステムを用い、F1ヘテロマウスをFLPeトランスジェニックマウスと交配させた。Genotypingの結果、複数のマウスでFRT-neo-FRT配列が排除されていることが確認できた。さらにこれらのマウスを野生型マウスと交配させ、目的のCASZ1のfloxマウスの完成を確認できたところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の組み換えES細胞においては、germline transmissionには至らなかったが、再度作成しなおしたES細胞ではgermline transmissionのみならず、大きなトラブルもなく最終的にはfloxマウスまで作出でき、ほぼ当初の予定通りで研究が進んでいると考えられるため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの1年でCASZ1のfloxマウスの作成が成功している。一方、尿細管特異的にCreを発現するトランスジェニックマウスも既に手元にある。そこでこれらのマウスを交配させ、尿細管特異的CASZ1ノックアウトマウスの作出が目前であり、得られたマウスの表現系解析を行う。、具体的には血圧、血液・尿サンプルから血中尿中電解質、各種ホルモン、浸透圧など様々な生理学的パラメータを測定し、さらに心血管組織リモデリングなどについても検討し、このノックアウトマウスが食塩感受性高血圧となり、アルドステロン作用過剰状態を呈していることを証明する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の予定よりトラブルなく順調にfloxマウスの作出に成功したため、予定していたほどの出費に至らずに済んだ。 本年度はマウスの表現型解析を多く行うことになり、マウスの飼育費や解析費用として多くの予算が必要と考えられるためそこに充当する。
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