これまでに我々は血管平滑筋細胞を5.0mMの高Ca培地にて培養すると、血管平滑筋細胞の骨芽細胞様細胞への形質転換とともに、石灰化が進展し、この進展に電位依存性CaチャネルであるTRPV2の関与を見いだした。本年度はTRPV2を介した、血管平滑筋細胞内Ca濃度上昇および石灰化進展の機序として、アポトーシスの誘導についての検討を試みた。高Ca培地によって石灰化が進展した血管平滑筋細胞のアポトーシスシグナルとして、Bax、Bcl2の遺伝子発現をリアルタイムPCR法にて検討したが、いずれの発現も正常培地のコントロールと比較して有意な変化がみられなかった。現在、石灰化進展過程における経時的なアポトーシスシグナルの発現について検討を進めている。
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