研究課題
神経変性疾患における異常凝集タンパクの細胞間伝播が注目されているが、その機構に関しては未だ不明な点が多い。近年E3ユビキチンライゲースNedd4がαシヌクレイン(aS)に標的タンパクの細胞内移動に関わるK63ユビキチンを付加する事が報告された。Nedd4は膜結合ドメインを持つ事から、内在化し膜近傍に存在するaSの輸送制御への関連に着目し研究を行った。まず、aSをリコンビナントタンパクとして大腸菌で合成し、サイズクロマトグラフィーで<100kDaに精製。細胞内局在の顕微鏡下での可視化のために一部は蛍光色素標識した。実験細胞SH-SY5Yの培地にaSを5μMで添加すると、時間・濃度依存性に後期エンドソームへの蓄積がみられた。in vivoでNedd4はaSをUbcH5, H6存在下でK63ポリユビキチン化した。Nedd4過剰発現条件下ではaSのエンドソーム蓄積が促進し、一方、ユビキチン・リガーゼ欠損変異型(C867A)および基質結合部位欠損変異型(ΔWW)はエンドソーム蓄積に影響を与えなかった。siRNAによるCHMP2Bのノックダウンでエンドソームに蓄積するaSが抑制された事から、aSはESCRTによってエンドソームへターゲッティングされているものと考えられた。基質のプロリンを多く含む領域にNedd4が結合するため、C末端に存在すると予想される部位(PR)を欠損させたaSをリコンビナントタンパクとして精製。これらの変異型aSはNedd4によるユビキチン化が抑制され、またエンドソームへの内在化も抑制された。さらに、PR配列に含まれる2つのプロリンをアラニンに変換した変異体を作製し、うちP120A変異型はユビキチン化・エンドソーム輸送ともに抑制され、P120がaS内在化において重要な役割を持つものと考えられた。
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