当該研究は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症機序解明のため、家族性ALS原因遺伝子FUS/TLSの機能解析を行った。FUS/TLSは通常は核内に局在するが、FUSのC端の核移行シグナル(NLS)に遺伝子変異を有するFUS/TLS変異体は細胞質に偏倚し凝集体を形成する。当該研究では、「メチル化によるFUS/TLSの核-細胞質シャトリングの制御機構」と、「FUS/TLSによる凝集体の形成機序と意義」の解明の2点を中心に解析を行った。その結果、アルギニンメチル化がFUS/TLSと核内輸送体との結合を制御することや、凝集体が他のRNA結合タンパク質を係留(sequester)することを明らかにした。
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