研究課題/領域番号 |
25461268
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
澤井 摂 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10400962)
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研究分担者 |
佐藤 守 千葉大学, 医学部附属病院, 寄附研究部門教員 (20401002)
桑原 聡 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70282481)
森 雅裕 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (70345023)
野村 文夫 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80164739)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ギラン・バレー症候群 / プロテオーム解析 / 自己抗体 |
研究概要 |
本研究は、プロテオーム解析の手法を用いて、脱髄型ギラン・バレー症候群(GBS)における自己免疫の標的分子を同定し、その病態解明とそれに基づく新規治療法を開発することを目的とする。これまでの知見から、脱髄型GBSの標的分子は末梢神経ミエリンの構成蛋白質ではなく、Schwann細胞外層表面に発現する蛋白質であると予想される。これまでに我々は、schwannoma細胞株から抽出した蛋白質を2次元電気泳動で分離し、Western Blottingにより、サイトメガロウイルス感染後の脱髄型GBS患者血清中IgGと免疫反応する蛋白質として、moesinを同定した。 本研究では、さらに、サイトメガロウイルス以外の先行感染起因病原体による脱髄型GBSにおける免疫標的蛋白質を探索するため、免疫沈降を用いた手法で解析を行った。これは、schwannoma細胞に直接血清を添加し、自己抗体を細胞表面の標的分子と結合させ、その結合が壊れない程度にBufferで細胞を緩やかに破砕し、プロテインGビーズを用いて抗原が結合した状態の自己抗体を回収して、抗体と結合する抗原を質量分析計で解析する手法である。質量分析計による蛋白質同定は、サンプル溶液中の蛋白質を酵素消化でペプチドにして、液体クロマトグラフィーで分離した後、高分解能の質量分析計で解析するショットガン解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに、免疫沈降法を用いた新規抗原探査法により、先行感染がサイトメガロウイルス以外の病原体による脱髄型GBS血清を用い解析を行ったところ、1症例の血清で約300個の蛋白質が同定され、そのうち約50個が膜蛋白質であった。これらは、脱髄型GBSの免疫標的分子の候補となる可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、多数の症例で免疫沈降を用いた新規抗原探索法を行い、脱髄型GBSにおける標的分子候補を見出していく。標的分子候補は合成蛋白質を用い、実際に血清中に自己抗体が存在するかの検証を行い、末梢神経組織を用いた組織学的な検証も行う。これにより検証された蛋白質については、その蛋白質で免疫することにより動物モデルの作製を試みる。
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