研究課題
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の血清,DNAを集積し,遺伝子検査,バイオマーカーの検索を行った.過去に報告したSOD1遺伝子L106V変異家系,C111Y変異家系,挿入変異dup18(GGCCCAGTGCAGGGCATC)家系の他,H46R変異家系を見出した.またALS患者の血清中のheat shock protein (HRP)-27,70,90を測定し,HSP-70と90で増加していることを報告した(Neusol Sci, 2016).過去にSOD1遺伝子L106V変異において,排尿障害の存在を報告したが,運動神経以外のALS病変,特に自律神経障害の病態を明らかにするために,孤発性ALS,家族性ALSの剖検例において,神経病理学的に検索した.一部の症例では中間外側核の細胞脱落やアセチルコリン量の低下,神経ペプチドの染色性の低下を認めており,今後さらに検索を進める予定である.また,県内の筋萎縮性側索硬化症患者の情報収集を行った.県内の協力病院より神経疾患の剖検例の情報をまとめ,標本を研究に利用できるようシステム(信州ブレインリソースネット)を構築した.現在63例の孤発性ALS,8例の家族性ALSを有しており(Neuropathology, 2016),ALS研究に利用している(Neuropathol Appl Neurobiol, 2016).また当院で過去30年診断したALS患者の発症者,病型の推移を検討した.近年の高齢化の影響もあり,高齢発症のALS患者が増加していることが確認された(Shinshu Med J, 2016).県内のALS患者の情報共有,患者家族の生活状況の改善を目指し,電子連携ケアシステム,人工呼吸器アラーム伝送の構築,視線入力装置の改良を含めたコミュニケーション支援にも携わり,成果を報告している.
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (7件)
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