筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症が多い地域のALS患者において遺伝学的,臨床病理学的に検討した.SOD1遺伝子L106V,C111Y,H46R変異に加え,新規挿入変異を見出した.SOD1遺伝子L106V変異では,発症1年程度に呼吸障害とほぼ同時期にみられる排尿障害が特徴で,これらに関連する部位で封入体を形成せずに神経細胞脱落が起きていた.また血清,髄液を用いたheat shock proteinなどの生化学的解析を行った.近年の高齢化に伴い,当地域内のALSの患者数はさらに増加傾向であり,さらなる症例の蓄積,情報共有のためネットワークシステムを構築している.
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