研究課題/領域番号 |
25461284
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構長崎川棚医療センター(臨床研究部) |
研究代表者 |
成田 智子 独立行政法人国立病院機構長崎川棚医療センター(臨床研究部), その他部局等, 研究員 (20549373)
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研究分担者 |
本村 政勝 長崎総合科学大学, 工学部, 教授 (70244093)
中根 俊成 独立行政法人国立病院機構長崎川棚医療センター(臨床研究部), その他部局等, その他 (70398022)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | MIR抗体 / 重症筋無力症 / 抗アセチルコリン受容体抗体 |
研究概要 |
重症筋無力症(Myasthenia Gravis: MG)は、神経筋接合部に生じる免疫反応のため、シナプスの伝達障害が生じる疾患である。その80%以上にアセチルコリン受容体(acetylcholine receptor: AChR)抗体が検出され、診断的価値は高い。しかし、個体間で抗体価を比較しても、各々の臨床症状や重症度を反映しない。そこで我々は、AChRにおける主要免疫原性領域(main immunogenic region; MIR)に対する阻害抗体測定法を開発した。 MIR抗体測定の方法は、1982 年にTzartosらによって発表された方法を基にして、当方で二次抗体などの調整工夫を行い、確立した。我々は前述のとおり、この測定方法を用いて眼筋型と全身型でMIR 抗体価に有意な差が見られることを報告している。また、従来の結合抗体と比較してMIR抗体はMGFA分類、QMGスコア、球症状の有無と有意な相関がみられ、一方で眼筋型かどうかという点では負の相関がみられた(J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2012)。 本研究では、詳細にその特徴や測定方法を検討して、MIR 抗体の実用化を目標とする。施設によってはRI使用できないこともあり、代替法として非RIによる抗体測定方法の検討も同時に行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
JaMR、すなわち、共同研究者である槍沢公明、長根百合子、鈴木重明らを中心として他施設から収集されたMG 患者データベースに登録されたMG患者676名のうち、226例についてMIR抗体価の測定を行った。その結果は、眼筋型に比して全身型でMIR抗体価が高値である傾向はあるが、MGFA分類との有意な相関はみられなかった。その要因としては、採血時期が一定でなく、発症時の検体やすでに免疫治療が行われている検体を同一に測定したことが考えられる。また、非RIでの測定系樹立に関しても、現在検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
発症時や治療効果判定など、抗体価測定する目的に応じて、サンプルを整理する必要がある。また、非RIを用いた測定方法についても検討してゆく。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験に使用する物品の残調整などで本年度予算に残額が生じ、次年度使用額が生じた。 発症時や治療効果判定など、抗体価測定する目的に応じて、サンプルを整理し、抗体価の測定や結果の解析を行う。また、非RIでの抗体測定系樹立に関しても、引き続き検討してゆく。
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